いろいろなセミリタイアの先駆者がいる中、「自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ (ちくま文庫) 」を著した高村友也さんは群を抜いている方です。
そんな高村友也さんの本を読んで、自分の心に刺さった部分を紹介していきます。
高村友也さんとは
- 1982年静岡県生まれ
- 東京大学哲学科卒業、慶應義塾大学大学院哲学科博士課程単位取得退学
- 雑木林を購入し、そこに自力で家を建てBライフを送る
Bライフとは
Bライフとは、安い土地でも買って適当に小屋でも建てて住んじゃおうという、言ってしまえばそれだけのライフスタイルだ。
高村友也、『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ 』(ちくま文庫)
一番しっくりくるのは Basic のBだと思う。つまり、必要最低限の生活。
高村友也、『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ 』(ちくま文庫)
必要最低限度の生活ができる位の家を自分で構築して、何にも誰にも気兼ねなく生活をしているということですね。
本を読んでオッと思ったところ
家についての言及部分
屋根と壁さえあれば暖かく寝られるのに、日本では現代技術の粋を集めた超高級家屋しか売っておらず、それらを買うための借金によって最悪の場合おちおち寝ていられなくなる。この本末転倒とでも言うべき事態が出発点だった。
高村友也、『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ 』(ちくま文庫)
私も、日本の家の建築費用はものすごく高いと思っていました。
購入価格の平均は、土地付注文住宅が4,256万円、建売住宅が3,494万円、中古戸建が2,574万円というのが調査でわかっているようです
参考:住宅の平均購入価格はいくらくらい?(公共財団法人生命保険文化センター)
日本はまだ新築信仰があるように思いますが、人口減少に伴って空き家も増加していくので、今後は賃貸で割安になったところに住める確率が上がるのでは?と思っています。
食事についての言及部分
食費を計算してみると ・朝 おにぎり、漬物…… 50 円 ・昼 スパゲティやラーメン…… 100 円 ・夜 ご飯、一品(味噌汁など)、漬物…… 150 円 特に無理して節約しなくても、一日 300 円、月 1 万円あれば安泰だ。
高村友也、『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ (ちくま文庫)
生きていくために本当に必要な栄養素を取るためには、それほどお金はかからないことを示してくれています。
私もお昼ご飯は、白飯、納豆、温泉卵が基本なので、おそらく150円もかかっていないと思います。
スーパーのお惣菜などを見ると、平気で1品300円とかしますが、自炊ができれば1日分の食費を300円に抑えることができます。
睡眠についての言及部分
寝たいときに寝て、起きたいときに起きる。この「自由な睡眠」が可能な時点で、上質な睡眠はほとんど保証されているようなものだ。どれだけ高級ベッドと高級枕に睡眠グッズなるものを揃えたとしても、自由な睡眠とは比べ物にならない。
高村友也、『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ (ちくま文庫)
仕事をしていると、どうしても朝は「起こされている」気分になってしまう気持ちになってしまいます。
睡眠自体は良くても起床時のこの気分によって、なんとなく睡眠の質が悪いのではないかと思い込んでいるような気もします。
好きな時に寝て、起きる生活というのはセミリタイア生活ができれば手に入る、極上の贅沢と言えるかもしれません。
まとめ
小屋に暮らすまではいかなくても、安い賃貸の家に住み、食事も必要なものを厳選して選んで生活すれば、お金はあまりかからないことが再確認できる良書でした。
セミリタイアに興味のない方でも、一つの価値観として持っておけば、仕事が辛くなった時に少しは楽になるかもしれません。
久しぶりにガッチリ価値観の会う本が見つかったので興奮しながら読み終えてしまいました。
皆さんもぜひ、読んでみてください。
コメント